
今回はニュースでよく話題にでている「介護保険」について、作業療法士でケアマネージャーの資格も持っていらっしゃる前田今日子さんをお迎えし、わかりやすく解説していただきました。
講演中も参加者からの質問や意見がたくさん飛び出し、理想の講師・参加者双方向型の充実した勉強会となりました
第10回くろすろーど定例会
〜学習会 くろすかうんたー その6〜
1999年11月7日(日)13:30〜20:00
神戸三宮・神戸市勤労会館第403講習室
参加者:合計23名
テーマ『高齢者介護と介護保険について考える』
講師:前田今日子さん(作業療法士)
[ 学習会 ]
ここからは講師の前田さんの監修のもとで作成しました。
(転載許可ありがとうございました。>前田さん)
「高齢者介護と介護保険について考えてみましょう」
1.介護保険とケア・マネージメント
○高齢者の増加=Case managementが日本でも必要とされるようになってきた。
米国では”Case Management”(欧州・オーストラリアなども)
=対象者個人に対する生活再構築のプランニング等でマネージメント
ケアーマネージメント
・・・日本の造語=まず介護することが前提?
↑
日米社会的なとらえ方の違い
2.介護保険制度
○開始時期・・・2000年4月
○被保険者・・・40歳以上
○徴収方法・・・65歳以上で月18万以上の所得者・・・年金から天引き、40歳〜64歳 国保・健保などの医療保険に上乗せ
●介護保険が適用される者
1号保険者・・・65歳以上
2号保険者・・・40歳〜64歳で加齢に伴う障害がある場合
(事故による障害は適用されない)
●介護サービスを受ける際の自己負担は1割、残り9割は市町村からサービス事業者に支払われる
(ただし下記の市町村の認定が必要)
『国民の努力及び義務』
国民は、共同連帯の理念に基づき、介護保険事業に要する費用を公平に負担するものとする。(介護保険法第4条2項)
”共同連帯の理念に基づく、、、”とは何か?
↑ 全体額を全員で負担?
○国民全体で金銭的負担を公平にする事。但し法的解釈が色々ある。
○現在の日本税収で負担することは到底不可能である。一方、北欧三国では税収で負担可能。(福祉国家)
*介護保険の適応=高齢者が主である。40歳〜64歳の2号保険者については特定の対象に限る。基準額に対する係数(倍率)が異なる。
これは介護保険所得に応じて基準額を元に負担倍率が設定されている。最高は基準額の1.5倍、最低が0.5倍。その基準となる位置は市町村によって設定される。(基準額の全国1ヶ月平均2,915円)
65歳以上の保険料の所得による加減額
第1段階=基準額の0.5倍(老福年金・生活保護受給者)
第2段階=基準額の0.75倍(世帯全員市町村民税非課税)
第3段階=基準額(本人が市町村税民非課税)
第4段階=基準額の1.25倍(市町村税民課税者)
第5段階=基準額の1.5倍(市町村税民課税者)
(第4段階&第5段階=市町村民税を納めている人。第4段階と第5段階の違いは年間所得の差である。
第4段階=年間所得が250万円未満
第5段階=年間所得が250万円以上)
3.介護保険利用の流れについて
○申請:対象は65歳以上の人、及び医療保険に加入している40歳から64歳までの人(全員自動的に加入している)
↓
○訪問調査:市町村の職員又はCare Managerが訪問の上で85項目の質問を行い調査票に記入する。調査は本人や家族から聞き取る形で行い、実際にお年寄りに体を動かしてもらう。
↓
○一次判定:85項目のデーターがcomputerに入力され、介護に要する手間の度合が”要介護認定基準時間”といった数値で示される。
基準時間によっては保険で介護を受けられない『自立』、日常生活の支援を要する『要支援』、常時介護を要する『要介護1〜5』のいずれかに仮分類される。
★基準時間の種類とは?
a. 入浴や排泄、食事等の直接生活介助
b. 洗濯、掃除などの間接生活介助
c. 徘徊の対応問題
d. 機能訓練関連行為
e. 医療関連行為
★要介護度と受けられるサービス
自立=保険で介護が受けられない
要支援=認定基準時間の合計が25分以上30分未満、
または間接行為介助と機能訓練間接行為の合計が10分以上
在宅の上限=64,000円/月
施設入所=不要
要介護1=上記の時間が30分以上50分未満
在宅の上限=170,000円/月
施設入所=必要
要介護2=上記の時間が50分以上70分未満
在宅の上限=201,000円/月
施設入所=必要
要介護3=上記の時間が70分以上90分未満
在宅の上限=274,000円/月
施設入所=必要
要介護4=上記の時間が90分以上110分未満
在宅の上限=313,000円/月
施設入所=必要
要介護5=上記の時間が110分以上
在宅の上限=368,000円/月
施設入所=必要
↓
○二次判定
一次判定の結果を修正する必要があるか否かを医療、福祉、保険等の専門家5人程度で話し合う。一人当たりの審査に要する時間は平均4分、介護対象者の主治医の意見書も審査の参考資料となる。
↓
○通知
原則として、申請から30日以内に書面で通知される。認定有効期間は6ヶ月であるが、お年寄りの状態によっては認定委員会が期間を変更する場合がある。継続してサービスを受けたい場合は、『更新』の申請が必要である。
↓
上記の通知を受けてから初めて介護サービスプランを作成して介護を受ける。
●要介護認定の問題点(勝手に決めていいの?)
◇生活環境の違いなど・・・公平性の確保が困難
◇ケアプラン(サービスプラン)が保険料の上限額とそれによる自己負担額1割+月々の保険料に左右されてしまう。
4.在宅 vs 施設
介護保険で利用できる施設
○指定介護老人福祉施設(現特別養護老人ホーム)
↑老人福祉法
古くからある老人ホーム。終身利用できる。在宅で生活出来ない方を対象とする。
○介護老人保険施設(現老人保健施設)
↑介護保険法
期間限定、3ヶ月で退所しなければならない。
○指定介護療養型医療施設(現療養型病床群等)
↑医療法
老人病院のこと。
◆将来的に上記3つの施設が介護保険導入に伴い一元化の動きになりつつある。
5.あなたは何を望みますか?
介護サービス=ビジネス化される事で、ケアーに対する質が高まっている。でも本当に大事なもの・・・それは人と人との心のふれあいなのではないか!
みなさんは介護についてどうお考えですか?
|












▼懇親会(2次会)のようす



 |