
くろすろーどの学習会としては約5か月ぶり開催となりますが、今回は新聞紙上をにぎわせている「日本版401K」について、くろすろーどメンバーであり公認会計士・税理士・ファイナンシャルプランナーの安藤幹根さんをお招きして、この制度の概要などをわかりやすく説明していただきました。
活発な質疑応答など、くろすろーどの目指している「全員参加型学習会」「講師とメンバーの双方向型勉強会」に近い形になったのではと思います。
第13回くろすろーど定例会
〜学習会 くろすかうんたー その7〜
2000年4月16日(日)13:30〜20:00(17:15から懇親会)
神戸三宮・神戸国際会館第2会議室
参加者:合計28名(懇親会はCICと合同で40名)
テーマ『確定拠出型年金について〜日本版401(K)の仕組み〜』
講師:安藤幹根さん(公認会計士)
[ 学習会 ]
ここからは講師の安藤さんが作成されたレジュメをもとに事務局が一部アレンジして作成
しました。(転載許可ありがとうございました。>安藤さん)
前提:これは退職年金のはなしで基礎年金や厚生年金に加入していることが条件(専業主婦・主夫や公務員は除く)
1.401(K)とは?
もともとはアメリカの内国歳入法(日本で言えば税法)の401条(K)項の要件を満たす制度のこと
■アメリカの401(K)の特徴←本家本元
○自助努力が必要・・・自分自身で運用
○掛け金は所得から控除(所得税の対象にはならない)
○ポータビリティー(携帯性)あり
会社が401Kがあれば、退職し再就職先にも401Kがあれば引き継ぐことができる
↓
日本の現状にマッチさせたものが日本版401(K)と呼ばれる確定拠出型年金制度(掛金は一定額、給付額は掛金の運用次第)
【現在国会で審議中】
2.確定拠出型年金導入の背景
■会計ビックバン
本年4月より退職積立金に係る会計制度が変わる
[これまで]
企業の決算処理としての「退職給与引当金」の額は実際の20%までしか算入できない。
よってほかは外部運用扱い・・・「企業年金」
↓
企業年金制度は年5.5%で運用しているのが前提なので(実際には不可能)、含み損は企業側が負担しているのが現状
[これから]
企業年金の積み立て額は”時価”で評価
退職金の計算も見直しが迫られる
↓
企業の負担額増加が必至
↓
企業側は追加負担を懸念
↓
アメリカの401(K)制度を見習い、確定拠出型年金の導入
3.確定拠出年金制度の概要
A.内容
■加入者
サラリーマン・自営業者など(専業主婦・主夫と公務員は対象外)
■種類
○企業型・・・企業が掛金を負担
○個人型・・・個人が掛金を支払う
この企業型と個人型のどちらか(企業が選択)
■運用方法
1.運営管理機関(金融機関)は3つ以上の運用手続きを加入者に提示
2.運用方法は運営管理機関が提示する選択肢の中から加入者が指示、最低3ヶ月に1回は預け替えが可能
3.運用対象は預貯金、公社債、株式、保険など(うち1つは預貯金など元本確保型)・・・不動産・商品先物は対象外
■給付
年金または一時金として
必要な加入期間は原則10年
■受給開始年齢
原則60歳(50歳までに加入の場合)加入は59歳まで
■掛金限度額
○企業型の場合
企業年金(厚生年金基金など)がある企業
・・・年額216,000円
企業年金がない企業・・・年額432,000円
○個人型の場合
自営業者
・・・年額816,000円(国民年金基金の掛金と込みで)
企業年金も401Kもない企業
・・・年額180,000円
■税制
○拠出時:個人の掛金は所得控除、企業拠出は損金算入
○給付時:年金の場合は公的年金等控除、一時金の場合は退職所得課税を適用
=給付時まで課税が繰り延べられる(払うとき非課税・もらうとき課税)
■脱退・移転
○加入3年以下で加入資格を失うと脱退一時金
○転職のための退職時はこれまでの積み立て金の移し替えが可能
[ケース]
401K制度のある会社から退職する場合・・・
●転職先が401Kのある企業・・・企業型で移し替え
●転職先が401Kのない企業・・・個人型で移し替え
●自営業・起業・・・個人型で移し替え
●公務員や専業主婦・主夫の場合
○401Kの加入が3年以下・・・脱退一時金
○401Kの加入が3年以上・・・そのまま運営管理機関に積み立て金の運営の指示のみ給付時まで続行
■実施時期(導入目標)
○企業型・・・2001年1月の予定
○個人型・・・2001年3月の予定
B.確定給付型年金(従来の年金)との相違点
■給付額
○確定給付型・・・確定
○確定拠出型・・・不確定(将来の運用実績による)
■運用リスク
○確定給付型・・・企業が負う
○確定拠出型・・・従業員が負う
■従業員勘定
○確定給付型・・・なし(制度上全従業員一律)
○確定拠出型・・・あり(1人1人別々に通帳をつくるようなもの)
■従業員への受給権付与
○確定給付型・・・遅い(通常退職時になってから)
○確定拠出型・・・通常早い
■携帯性(ポータビリティー)
○確定給付型・・・なし
○確定拠出型・・・あり(転職時には移し替えOK)
■企業の掛金追加拠出義務
○確定給付型・・・可能性大いにあり
○確定拠出型・・・可能性なし(一定額払うのみ)
■従業員の投資先選択
○確定給付型・・・不可
○確定拠出型・・・可能(最低3つ以上から)
■従業員への教育
○確定給付型・・・不要
○確定拠出型・・・必要
■年金数理計算
○確定給付型・・・必要
○確定拠出型・・・不要
4.運用に関する留意点
■リスクとリターンはトレード・オフ(うらおもて)
○ハイリスク・ハイリターン(株式など)
○ローリスク・ローリターン(現預金など)
(ローリスク・ハイリターンのおいしい話はない!)
これらの商品をいかに組み合わせてリスクをできるだけ少なくリターンを多くするか・・・ポートフォリオの考え方
■運用は自己責任
日本では投資に対する教育の機会はほとんどない(欧米では聖書の影響?で幼年期より教育されている)
↓ 今後は
会社四季報や有価証券報告書、投資信託の目論見書などをじっくり見て、個人で分析する力を養う必要性がある
|










▼懇親会(2次会)のようす






|