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山陰あすねっと
くろすろーど第15回定例会(学習会&懇親会)
テーマ「インターネットと商標権」「ビジネス(モデル)特許の概要」
全体写真
今回は初のテーマ2本立ての学習会として、弁理士の真下晋一さんによるビジネスモデル特許、同じく弁理士の山田威一郎さんによるインターネットと商標権について講義をいただきました。
今回はみなさんが興味を持ったテーマということで、学習会としては過去最高の参加者数を記録しました。


第15回くろすろーど定例会
   〜学習会 くろすかうんたー その9〜
2000年7月9日(日)13:30〜20:00(17:30から懇親会)
   神戸三宮・神戸貿易センタービル26F第2会議室
参加者:合計73名
テーマ1『インターネットと商標権』 講師:山田威一郎さん(弁理士)
テーマ2『ビジネス(モデル)特許の概要』 講師:真下晋一さん(弁理士)

[ 学習会1 ]

インターネットと商標権

第1部 商標法について

1.商標とは?

商標とは、商品やサービスにつける目印(ブランド)のことです。

商品についている商品名やロゴマーク、ブランド名などが一般に商標とよばれるものです。例えば、テレビの「画王」、自動車の「クラウン」、被服の「GUCCI」などがこれにあたります。また、航空会社の「JAL」、テレビ局の「NHK」などのようなサービスにつけるサービスマークも、商標に含まれます。


2.商標権とは?

商標権とは、指定商品(または指定サービス)について登録商標を使用する権利です。商標権者は、指定商品(または指定サービス)につき、他人が紛らわしい商標を使用するのを禁止できます。

3.商標権を取得するメリットとは?

(1) 他社が紛らわしい商標を使用することを禁止できる
(2) 無用の紛争に巻き込まれることを防止できる
(3) 権利の有効利用を図ることができる


4.商標権を取得するには?

出願から権利取得までの手続きは以下の通りです。
  商標出願の流れ
通常、特に問題のない場合、出願から登録まで1年程度を要し、20万円程度の費用がかかります。

5.商標出願の際の留意点

商標権を取得するためには、特許庁に対して商標出願という手続をしなければなりません。
その際の留意点は次のとおりです。

(1) 出願人の特定
(2) 商標の特定
(3) 商品・サービスの特定
(4) 出願前の調査


6.どのような商標が登録できるか?

商標登録を受けるためには、
(1) 商品、サービスの目印として機能するものであること
  (普通名称や品質表示等でないこと)
(2) 他人が似たようなマークについて先に登録していないこと
等の要件を満たす必要があります。


第2部 インターネット上の商標の問題

1.ホームページのネーミング

ホームページのネーミング(例えば、「YAHOO」「楽天」など)は、そのホームページ上でおこなわれるサービスの目印であり、まさに商標であるといえます。

2.ドメインネーム

ドメインネームの使用は、原則として、商標の使用にはあたらないものと考えられます。そのため、取得したドメインネームが他人の商標権と抵触していたとしても、原則として、商標権侵害にはならないと考えられます。

ただし、他人の登録商標と類似のドメインネームをわざと取得した場合については、ドメインネームの登録を取り消されるおそれがあります(具体的な取り消しの要件については現在、ICANNで検討中)。


3.国境をまたがる侵害

インターネットにおいては、国境を越えて商標権侵害となるケース(例えば、英語のホームページや.comドメインのホームページがアメリカの商標権の侵害になる等)が考えられ、注意が必要です。

(参考)米国「Playmen事件」判決

講師

学習会

学習会

学習会

学習会

学習会

学習会

学習会

学習会

学習会

学習会

学習会
懇親会(2次会)のようす

懇親会

懇親会

懇親会

懇親会

懇親会

懇親会

懇親会

懇親会

懇親会

懇親会

[ 学習会2 ]

ビジネス(モデル)特許の概要

1.ビジネス特許の定義

○明確な定義なし
「儲けを生み出す具体的な仕組みを内容とする特許」(特許庁)
「ネットワークやコンピュータ・システム上にビジネス方法を実現するもの」(相田義明審判官「ビジネス特許について」)
○「ビジネス特許」以外に、「ビジネスモデル特許」「ビジネス方法特許」などとも呼ぶ。


2.特許法の保護対象

○特許の要件は各国毎に独立して判断 → 保護対象となるか否かは各国で相違

(1) 日本

○発明が保護対象
「発明とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」
(特許法2条1項)
ビジネス方法自体は、一般に自然法則を利用するものではないため、発明に該当せず。但し、ビジネス方法についても、インターネット等と結びつけることで発明となり得る。(ハードウェア資源をどのように用いたかの How to の記載要)

(2)米国

○「ビジネス方法であっても有用、具体的かつ有形の結果 (useful, concrete and tangible result) をもたらすものであれば特許の対象となり得る」
(1998年7月の連邦巡回控訴裁判所(CAFC)の判決)

日本のように「コンピュータをどのように用いたか」ということは判断されず、有用かつ具体的な効果をもたらすものであれば、特許対象
→ 抽象的なアルゴリズムに留めず、現実のビジネスにどのように用いるかを具体的に示す必要あり


3.ビジネス特許の具体例

(1)逆オークション特許(米国特許第5794207号)

概 要
買い手が登録した購入条件に合う売り手を仲介者が見つけるという「逆オークション」を、コンピュータ・ネットワークを利用して行うものです。まず、消費者は、希望する商品の購入条件【東京−ニューヨーク間の往復航空券を30万円以内で購入したい】を仲介者に送信します。仲介者は、上記購入条件【東京−ニューヨーク間の往復航空券を30万円ぐらいで希望】を各社に伝達します。各社は、上記条件から見積もり【A社「32万円」、B社「31万円」、C社「29万円」】を仲介者に提示します。仲介者は、各社見積もりを対比して、消費者の希望条件に合致する商品を選択し、その内容を消費者に連絡します(特許庁ホームページより)。        

代表クレーム・・・特許成形の範囲
(ここで書いてある内容をすべて実施すると特許侵害)
1.買い手と、複数の売り手のうちの少なくとも一の者との間で取引をするためのコンピュータの使用方法において、
コンピュータに申込価格を含む条件付き購入申込を入力し、条件付き購入申込に関連づけられ、クレジットカードアカウントを特定した支払いIDをコンピュータに入力し、前記支払いIDを受け取った後に、複数の売り手に前記条件付き購入申込を出力し、条件付き購入申込に対応する一の売り手からの受諾をコンピュータに入力し、前記支払いIDを使用して売り手に支払いをすることを特徴とする方法。


(2)マピオン特許(日本特許第2756483号)

概 要
広告依頼者(店舗、企業など)が本システムに登録すると、サーバ上の地図にアイコン化されます。ユーザが、その地図を見て、興味をもった店舗や企業のアイコンをクリックすると、詳細な広告情報が表示されます。

代表クレーム
1.コンピュータシステムにより広告情報の供給を行なう広告情報の供給方法において、
広告依頼者に対しては、広告情報の入力を促す一方、予め記憶された地図情報に基づいて地図を表示して、当該地図上において広告対象物の位置指定を促す段階と、前記地図上において位置指定された広告対象物の座標を、入力された広告情報と関連づけて逐一記憶する段階とを備える一方、広告受給者に対しては、前記地図情報に基づく地図を表示するとともに、当該地図上の地点であって、記憶された広告対象物の座標に相当する地点に、図像化した当該広告対象物を表示して、所望する広告対象物の選択を促す段階と、選択された広告対象物に関連づけられた広告情報を読み出す段階と、読み出された広告情報を、前記広告受給者に対して出力する段階とを備えることを特徴とする広告情報の供給方法。


4.我が国の特許要件

(1)産業上の利用性(特許法第29条柱書)

○発明の要件を含む

(2) 新規性(特許法第29条第1項)

○特許出願前に日本国内又は外国において公知になった発明は、特許を受けることができない
→ 自ら公知にした場合も適用
(但し、一定の条件の下で新規性喪失の例外(特許法第30条))

(3)進歩性(特許法第29条第2項)

○その分野の人間が容易に思いつくことができない程度の困難性
○公知文献との比較で判断

(4)その他の要件

産業上の利用性(特許法第29条)、公序良俗性(特許法第32条)、明細書の記載要件(特許法第36条)、先願(特許法第39条)など

5.ビジネス特許の特徴

(1) 全ての人が発明者となり得る
○発明のための設備や資金がそれほど必要ではない

(2) 事業化が容易
○インターネットとサーバーコンピューターがあればたいていのことが可能


6.ビジネス特許の問題点

1)審査における問題
○ありふれたアイデアでも特許庁の審査官が先行資料を発見できずに成立してしまうこともある

(2)権利行使上の問題
○アメリカで成立したビジネス特許を日本国内で行っても特許侵害にならないが、アメリカ人がインターネットを通じて日本のサーバーにアクセスできる場合は特許侵害にもなり得る?


7.ビジネス特許への対応

(1) 特許調査
○出願前の調査、○事業開始前の調査、○他社動向の調査

(2) 特許出願
○独占権としての活用、○防衛目的、○市場へのアピール

8.最近の動向

今年の6月中旬に、三極(日、米、欧)特許庁専門家会合
<一部抜粋>
三庁は、各々の特許庁のビジネス方法関連発明に関する現行実務が、以下のとおりであることを確認しました。
○コンピュータにより実現されたビジネス方法が特許適格性を有するためには、「技術的側面」が要求される。
○通常の自動化技術を用いて、人間が行っている公知の業務方法を単に自動化しただけでは、特許性がない。

(注1)
米国においては、「in the technological arts」であることを示す発明の特徴が、明細書に明示されていれば、特許クレームには示唆されているだけでもよい。EPOとJPOでは、「技術的側面」が特許クレームに明示的に表現されていることが要求される。

ビジネス方法関連発明の先行文献調査は、「審査の際の本質的な問題」であり、3極が協力して行う点で合意しました。これを受けて、3極の特許庁は、ビジネス方法発明分野において「共同サーチ・プロジェクト」を開始することで合意しました。

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