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山陰あすねっと
くろすろーど第41回定例会(勉強会&懇親会)
テーマ「インフルエンザってなに?〜インフルエンザの基礎と臨床〜」
全体写真 講師
先日開催された定例会に参加されたみなさん、お疲れさまでした。
今回はインフルエンザについてわかりやすく説明をいただきました。全員顔が見えるような配置にしたところ、和気藹々とした感じになり、講師の話が終わった後、45分間も質問タイムというか、医療関係の方も数名いらっしゃったこともあり、風邪の治し方、予防接種の有効性など座談会形式でとことん(まではいかないですが)話し合いました。
こんなんもいいですね。また少人数限定勉強会系もやってみましょうか。

今年から勉強会のスタイルを若干変わります。はじめ1時間程度アイスブレイキングをはじめ、その後講師によるトークは前半30分、後半30分程度にし、質疑応答や講師を交えてのフリートークの時間を多くメリハリをつけた構成にしてみました。(事務局)

[第41回くろすろーど定例会]

日時:2004年2月29日(日) 14:00〜19:30(17:30から懇親会)
場所:神戸商工貿易センター26F第2会議室ほか
講師:内部講師
勉強会テーマ:「インフルエンザってなに?〜インフルエンザの基礎と臨床〜」
参加人数:31名(勉強会19名・懇親会21名)

▼定例会・トークライブのダイジェスト

はじめに

感染症 =人の体内に他の生物が入り込んで悪さをする病気
菌による感染症 O157 結核 梅毒
寄生虫による感染症 サナダムシ、エキノコックス
ウイルスによる感染症 空気感染 インフルエンザ、アデノウイルスetc
              体液感染 HIV,HCV、etc

ウイルスとは何か?

その前に生物とは何か?
生物の構成単位は細胞である細胞は細胞膜、核、タンパク質からなる。
細胞の増殖は、タンパク質合成装置や、核酸合成装置のよって自分自身を2倍にすることで、増えることができる。
これを生物と定義する。

菌の場合は、核はないけれども、細胞膜核酸、細胞壁からなる。
菌の構造は動物細胞の構造と著しくことなるので、薬を作ることが比較的簡単だった。

ウイルスとは何か
ウイルスとは基本的に、膜とタンパク質核酸から構成される。
自分自身で増殖することはできない。
他の細胞に感染することにより、その細胞の核酸合成装置やタンパク質合成装置を乗っ取って自分自身を増やす。

インフルエンザウイルスとは何か?
構造は、二重膜で覆われており、HAとNAと言う膜タンパク質が浮いている。
核には8つのRNAゲノム(設計図)があり、これが核タンパクNPで覆われている。
他にもタンパクがあるが、大事なのはこれだけである。

インフルエンザウイルスの生活環

インフルエンザウイルスは、粘膜上皮細胞(クララ細胞)に感染する。
HAがクララ細胞表面に結合する。
クララ細胞の持つ酵素でHAが分解される。
分解されるとウイルス粒子が細胞内に入り込む
入り込むと、中で弾けてウイルスゲノムが核に運ばれる。
運ばれたウイルスゲノムから宿主のタンパク合成装置を使ってウイルスのタンパク質が作られる。
宿主の核酸合成装置を使ってゲノムもどんどん作られる
できたゲノムとタンパクは、膜表面に運ばれて、粒子を作る。
ウイルス粒子は、NAで細胞表面から切り離されて外に出て行く。
ウイルスは、細胞と違って一気に大量に増えることができる。

インフルエンザウイルスの種類

インフルエンザウイルスには A,B,Cの3つの型がある。
これらはNPによって分類されている。
人ではやるのは、このうちAかBである。
A型ウイルスは、HA、NAによって亜型に分けられる。
A型ウイルスには沢山の亜型がある。
このうち人に感染する亜型は、Hが1235 Nが1,2のみである。今のところ。

新型インフルエンザの誕生機構

人にかかるインフルエンザに新型が登場すると、大流行を引き起こす。
新型インフルエンザは主に次のメカニズムで起こる

ドリフト ウイルスの(主に表面タンパク)が少しづつ変異して起こる。
遺伝子レベルでAがGになったりと言う変化が連続的に起きている。
ATA-L → ATG-M
シフト ウイルスゲノムが混ざる現象である。インフルエンザウイルスには8本のウイルスゲノムがあるが、同一細胞内で、2種のウイルスが感染すると、お互いのゲノムが混じりある。

このようにして、インフルエンザウイルスは日々進化する。
しかし、ここ30年くらい新型のインフルエンザウイルスが見つかっていない。
そろそろ新しいインフルエンザウイルスができてもおかしくないのではないかと言う学者もいる。
関東大震災がいつ来てもおかしくないというのと同じである。

インフルエンザの臨床

…のまえに、ウイルスが体内に入るとどのような現象が起きるかと言うことを学習する。
ウイルスが体内に入ると細胞に感染する。
感染した細胞内でウイルスのタンパク質が作られる。
これらは、宿主にとっては異物である。
高等生物の体内ではこれらが作られると、免疫が活性化される。
免疫が活性化されると抗体が作られる。
抗体がウイルス表面にべとべと張り付いて、ウイルス働きを阻害する。
というのが、高校で習う免疫の話だと思う。
このような免疫系があるので、基本的に健康な人なら、インフルエンザにかかっても早々死んだりしない。

ウイルスが細胞に感染すると、細胞自身は死んでしまう。
死んだ細胞のお掃除やさんとして、マクロファージなどの細胞がウイルスを除去する。
これを自然免疫と言う。
マクロファージやDC細胞は自分が取り入れたウイルスのタンパク断片をT細胞に提示する。

提示されたT細胞はそのタンパク断片に対する抗体を産生するB細胞を活性化する。
活性化されたB細胞は増えて抗体をどんどん作ります。
抗体とは、ウイルスのタンパク質等人間以外のたんぱく質にべとべと張り付くタンパク質。
これらが血中や粘膜上に沢山あると、そこにいるウイルスにべとべと張り付きウイルスの身動きが取れなくなります。
これが獲得性免疫と言います。

本来健康な人は、この免疫システムのおかげで簡単には感染症が重症化しない。
しかし、加齢などによりこの免疫システムが疲れてくると、感染症が重症化します。老齢に伴い死亡者数が増えています。重症化が起こると肺炎などを引き起こし人を死におとしめるのです。
もう一つ、乳児でインフルエンザによる死亡率が上昇していることに注目。それは乳幼児の死亡例の中には、インフルエンザ脳症が含まれています。インフルエンザ脳症については、いまだはっきり判っていないのですが、非ステロイド系消炎剤が引き起こすのではないかといわれています。大阪の北部で多い病例だと言われています。

インフルエンザの特効薬?

最後に抗インフルエンザ薬ですが、これは現在タミフルとリレンザという2種類の抗インフルエンザ薬が売り出されています。

ちなみにタミフルとは、リン酸オセルタミビルと言うのが化合物名で、このタミとインフルエンザのFluを取ってタミフルと命名されました。ちなみに、ロッシュが作った薬です。
感染から48時間以内の服用がよろしいようです。
この薬は、先ほど説明したNA(ノイラミダーゼ)の機能を阻害する薬です。
つまり、ウイルスが感染はするけれども感染した細胞からウイルスがはなれられなくなったり
ウイルス粒子同士がはなれられなくなってウイルスの感染力が落ちると言う仕組みで効きます。

リレンザは、Mタンパク質の働きを阻害します。
Mタンパク質はウイルス表面に存在するタンパク質です。
ウイルス粒子が細胞内に入り込むと、このMタンパクの力でウイルスが弾けます。
この働きを阻害すると、ウイルスが細胞内で弾けることができず、そのままの状態でとどまりウイルスが増えることができなくなります。
ちなみにリレンザはグラクソウエルカムが作りました。

おまけですが、風邪とはウイルス性感染症のことだったんです。
風邪の30%がライノウイルス、10%がコラナウイルスだそうです。

当日説明してないけど

高病原性インフルエンザと普通のインフルエンザウイルスについて。
高病原性インフルエンザウイルスと普通のインフルエンザウイルスの違いは、HAタンパク質の型によります。
今のところH1H2H3は弱毒株(普通のインフルエンザ)、H5H7は強毒株と言われています。
強毒株は弱毒株と違って全身症状を示す株です。
Hタンパク質の作用について詳しく説明すると、Hタンパク質は感染細胞のタンパク質分解酵素によって切断され活性化します。弱毒株のHタンパク質は、呼吸器系の表面の細胞しか持っていないタンパク質分解酵素に感受性があります。 ところが、強毒株のHタンパク質はフーリンという体中の細胞にあるタンパク質分解酵素に感受性があります。なので、全身症状を示してしまうのです。
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