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くろすろーど第56回定例会(勉強会&懇親会)
テーマ「新会社法」
全体写真 講師
■定例会の感想です。とりあえず、「新会社法」から…湯原さんありがとうございます。講義の内容は解かりやすく、スピードも頭に入りやすいテンポだったと思います。

なかでも…「今までは会社法なるものがなかった」というのが私にとっては驚きでした。書店で見ていても「新会社法」の文字はよく平積みされているので旧会社法もちゃんと在るものだと思っていました。

新会社法とは現在の社会構成に必要で整備されていなかった事柄を新たに定めた。(改正と撤廃含む)と認識しましたがいかがでしょう?
そんなとこですよね。
役所の対応は遅く、まだ正式な改正日(5月中位)が決まっていないようですが…6月や8月位までゴタゴタするのかななんて勝手に思ってたりします。

久しぶりにクロスの定例会に参加しました。当日、名刺入れを忘れてしまい大変失礼致しました。皆さんかわりなく元気でうれしかったです。クロスには元気で良い空気みたいなものがあるみたいですね。こういう会を運営されているT氏、スタッフの方達に感謝です。
(メンバーHMさん)

■まずはとてもわかりやすい講義をありがとうございました。私はこの新会社法を自分で情報を集めて必死に勉強しようとしていたのですが、用語の難しさにほとほと嫌気がさしていました。

湯原先生はとてもわかりやすく、言葉を選んで、実際の例も出して説明してくださったので、やっとこの法の大体の全体像をつかむことができました。
それから話の流れとして最初にまとめの方から説明してくださったのも、非常に良かったです。お蔭様で内容が難しいにもかかわらず、私でも終始お話についていくことができました。

実は聞き落としたり、確認したいところや、質問したいところがたくさんあったのですが、機会がなく、最後も1分のみの質疑応答でしたので、自分の質問など聞けず、少しそれが残念でした。ただこの辺は時間の制約や伝達内容の量、その他の事情により仕方がなかったのかもしれませんが…。

実り多い勉強会でした。とてもありがたく思っています。またぜひ勉強会をお願いします。先生が講義されるときはどのトピックであっても必ず参ります。
(メンバーKOさん)

[第56回くろすろーど定例会]
日時:2006年1月28日(土)13:30〜19:30(懇親会は17:30開始)
場所:神戸商工貿易センタービル26F 第1会議室(勉強会)・うまいもの市場 TAPA Asian Dining 三宮国際会館前店(懇親会)
講師:湯原伸一さん(英知法律事務所所属 弁護士)
テーマ:「新会社法って役に立つの? 〜まずは基本を押さえよう!!〜」
参加人数:46名(勉強会38名・懇親会42名)


▼定例会(勉強会)のダイジェスト

■PART1 新会社法は何のために制定されたの?

【法務省のHPによると】
・最近の社会経済情勢の変化への対応等の観点から、最低資本金制度、機関設計、合併等の組織再編行為等、会社に係る各種の制度の在り方について、体系的かつ抜本的な見直しを行っています。
・商法第二編、有限会社法、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律等の各規定を、現代的な表記に改めた上で分かりやすく再編成し、新たな法典(会社法)を創設しています。

そもそも新会社法に対する「旧会社法」は存在しない。

商法第二編「会社」+商法特例法+有限会社法 → H18.5以降 「会社法」
講義のあった1/28現在、会社法の施行日は未定。

【目的】
いままでの法律は企業も動きづらく、またコストもかかった。そこで、無駄な手続きを省き、コストの削減を図ること。


■PART2 新会社法を理解するためのキーワード

1.「定款自治」(定款とは会社の事業目的や組織を定めたもの)
新会社法は必要最小限のことしか決めていないので、あとのことについては会社の定款で書いたら、あとはある程度自由にしてかまわない。
しかし、その旨定款変更を行わないと新会社法のメリットを受けられない!!(ゼッタイ必要)

2.「株式公開会社」
株式の売り手と買い手が自由に売買している会社。(上場とは関係なし)
 「株式譲渡制限会社」
株式の売り買いを会社が制限できる会社。

そこで今後は会社は次の4つに区分できる。

 A.大会社で株式譲渡制限会社
 B.中小会社で株式譲渡制限会社
 C.大会社で株式公開会社(一部譲渡制限を含む)
 D.中小会社で株式公開会社(一部譲渡制限を含む)

 大会社は資本金5億円以上または負債200億円以上
 中小会社は資本金5億円未満かつ負債200億円未満

有限会社という概念は会社法からなくなってしまう。(なお、特例有限会社という形で従前の有限会社は存続。)


■PART3 会社設立に関する改正概要

1.資本金規制が撤廃
ただし確認会社「1円会社」の場合、定款変更が必要。
 (定款変更がないと、5年以内に資本金1000万円集めないと解散)

2.類似商号規制の廃止(「会社の目的」についても記載基準が緩和)
いままでは登記時によく似た商号がすでにあると受け付けてもらえなかった。しかしインターネット等の発達で、小さな企業でも全国に広告ができるようになり、規制自体が意味をなさなくなりつつある。ただし同住所同商号はダメ。
会社設立はできるが、「不正競争防止法」「商標法」の網はかけられる。

3.合同会社が新たに認められた。(個人事業と株式会社のイイトコどり)
 LLC(合同会社)
   対象:合弁等の共同事業 税務処理は法人税
 メリットは設立費用が安い程度…。使い方も難しいのでは??

 LLP(有限責任事業組合) 会社ではない。
   対象:産学連携等の共同事業 税務処理は構成員の所得税

4.発起設立の場合は払込金保管証明が不要
従来資本金を払い込んだという銀行の証明はなかなかやってくれず、またコストも10万円程度かかるので、設立の弊害になっていた。
募集設立(定款に署名した発起人以外も設立に加わる場合)は引き続き必要。

5.有限会社が設立不可!
新会社法から有限会社の文字が消えるため、新たに有限会社として起こすことができない。
株式会社になることのデメリット
 ・取締役の任期が、無制限→2年(最長10年)となり、登記手数料がかかる。
 ・決算公告が必要になる。


■PART4 経営組織(機関)に関する改正概要

1.経営組織の柔軟化
いままでの株式会社では、株主総会、取締役3人以上、取締役会を構成、さらに監査役…と人数が多い。
今後は株主総会は必要だが、取締役1名(オーナー)、監査役も不要とスリム化が図れ、余計な役員報酬も不必要に。

2.取締役・取締役会

・自己破産で復権していなくても取締役への就任が可能
技術・能力のある人は、経済的な再起更正のチャンスも。
・取締役の解任は普通決議でOK
これまでは株主総会の3分の2(特別決議)→過半数
・株主譲渡制限会社なら取締役の任期は2年(最長10年)&株主から選任可能
有限会社から変更する場合は要注意。(任期なし→2年)
・取締役の責任一部免除制度
無過失責任なら義務を免除。取締役の責任は報酬額で制限。
・取締役会の持ち回りの書面決議、電子メール決議可…(事実上の)現状追認
ただし取締役の同意と監査役が意見のないことが必要。

3.監査役

・権限は業務監査と会計監査
ただし株式譲渡制限会社であれば会計監査のみにすることもOK。
・任期は原則4年。(株式譲渡制限会社であれば10年まで延長可能。)

4.会計参与…取締役と共同して計算書類の作成・説明・開示等を行う。

決算等の信頼性が高まるので、銀行からの融資が得やすくなるメリットはあるが、定款を変更して公認会計士(監査法人含む)と税理士(税理士法人を含む)を頼む費用が発生するので、そのあたりは費用対効果をみて導入すべし。


■PART5 株式・新株予約権に関する改正概要

1.譲渡制限

・一部の株式の譲渡制限
これまではすべて譲渡制限するか、すべて公開するかの2者択一だったが、今回の新会社法では柔軟化、一部の株式のみ譲渡制限あり、あとは譲渡制限なしと分けて発行できるようになる。

・株主間譲渡の承認
現在は株式の譲渡制限をかけた場合は、すべての譲渡について承認が必要であるが、株主間の譲渡の場合は不要とすることができる。

・承認と名義書き換えの手続きの簡素化

・相続・合併による譲渡
改正で定款の定めにより売り渡し請求ができるようになった。

2.株券不発行が原則化

3.自己株式(金庫株)取得手続きの簡素化

4.種類株式
黄金株(議決に対して拒否権が付与される株)、議決権のない株式などいろいろな種類の株式が発行できるようになる。


■PART6 中小企業に関係しそうな改正項目(要約)

 【旧】…改正前  【新】…改正後

1.最低基本金
【旧】株式会社は1000万円以上 有限会社は300万円
【新】制限なし(現在確認株式会社「1円会社」は5年以内に資本金を1000万円にする必要はあるが、新会社法が施行されても定款を変更しないと、資本金が1000万円に達しない場合は本当に5年後に解散しなければならない。)

2.会社の機関設計
【旧】株式会社は株主総会+取締役会(3人以上必要)+監査役
   有限会社は社員総会+取締役(+監査役)
【新】『株主総会』『取締役』は必ず設置。その他の機関設計は法令・定款に従い設置。(取締役会は必要ない…1人取締役でOK、その場合取締役の登記も不必要になりコストダウン)

3.株主総会決議事項
【旧】株式会社は法令・定款で規定された事項のみ(すべてのことを決められるわけではない。)有限会社はすべての事項
【新】基本は改正前の通り。しかし取締役会を設置しない会社(1人会社)の場合、すべての事項を決議することが可能。

4.株主総会開催場所
【旧】本店所在地またはその隣接地。
【新】任意。(国内ならどこでもOK)

5.取締役の数と任期
【旧】株式会社の場合3人以上、任期は2年。有限会社の場合1人以上、任期なし。
【新】原則は3人以上、任期は2年。ただし株式譲渡制限会社の場合、取締役会を設置しないことも可能。(取締役1人でOK…オーナー兼取締役)また任期も最長10年まで可能。(登記手数料もダウン)

6.監査役の権限
【旧】株式会社のうち小会社は会計監査のみ。(粉飾決算がないか調査)
   小会社以外は業務監査+会計監査
   有限会社の場合は会計監査のみ。
【新】業務監査+会計監査。ただし大会社以外の株式譲渡制限会社の場合、定款で会計監査のみに限定可能。(株主の権限強化)

7.会計参与(粉飾決算対策)
【旧】規定なし。
【新】任意で設置可能。(これで粉飾決算がなくなるかは疑問??)
   ・公認会計士(監査法人)・税理士(法人)が就任可能。
   ・計算書類の作成・保存、株主総会での説明。
   ・会計参与就任は登記事項。
ただし会計参与に就任する会計士・税理士の責任は増大するので、気軽に引き受けるべきではない。

8.配当
【旧】『純資産の額』−『資本等の額』=残りを株主に割り当て
【新】今回の改正では資本金という概念がなくなっているので、歯止めとして純資産額が300万円未満の場合配当不可。

9.休眠会社
【旧】法務局により5年で整理対象
【新】法務局により12年で整理対象


■PART7 検討したい定款変更項目(株式譲渡制限会社の場合)

1.会社区分
・商号の変更(有限会社→株式会社)
・確認会社「1円会社」(解散事由の削除)

2.会社の機関
・取締役会の設置の有無、監査役の設置の有無、会計参与の設置、役員の任期(コストカットが可能)
・取締役の資格(株主に限定することが可能)

3.株主総会
・招集通知の発送時期(株主譲渡制限会社は1週間前…現在は2週間前)

4.株券
・株券不発行が原則(定款に定めのある場合は発行)…現状を追認。

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